こんにちは。M&Aクラウドの鈴木(@yamotuki)です。
先日、第1回となる社内ハッカソンを行いました。 私は営業チームに入り込んで業務改善を試みたので、その記録をここに残します。他のチームにおけるハッカソンの成果については後続のブログで紹介されるかと思います。
こちらの写真はハッカソンにおける発表風景です。
M&Aクラウドにおけるハッカソン
目的は、エンジニアが他のチームの業務を理解すること & 他のチームがエンジニアの仕事を理解すること。
初回のテーマは「チームの業務効率化」でした。
10:00~17:00でヒアリングと実装を行います。
以下のようなルールの下で行いました。
* それぞれのチームで日頃の業務から課題を抽出してください * 発表時間は1チーム5分です。発表では資料に加え、必ず何らかの動くデモを発表してください。 * プログラムを書くことを必須にはしません * 最優秀賞は皆さんの投票を一番集めたチームとします * 評価基準は以下です * 勝つべくして勝つ - インパクトが大きいアイディアか? * 全員UX - チームメンバーが使いやすいかどうか? * One Team - 全員で協力して作ったか?
弊社には以下のような部署があるのですが、エンジニアがそれぞれの部署に入り込んで業務改善を目指しました。
- 営業チーム
- CSチーム
- FAチーム
- ライティングチーム
- コーポレートチーム
- 社長室チーム(このチームだけデザイナの長竹さんが担当し、プロダクトの案とXDでのモックと動画作成がされました)
事前準備
エンジニアの中で使えそうなツールと効率化についての意識合わせを行いました。
意識合わせについての資料
便利ツールについて
以下はチーム内で話した内容のメモです。裏を取っていないものも多いため、正確性には欠けるかもしれません。
- Zapier
- UiPath
- RPA(robotic process automation)のツール。定番らしい
- 画面上で入力して、クリックして、みたいなのを自動化できる。E2Eテストに近いイメージ
- ブラウザだけじゃなくて画面のどこでも自動化できる
- 画像をみて、画像の種類によって分岐させて次のタスクを実行
- テキストでの分岐もできるっぽい?
- お値段:不明。Trialがある。
- studio
- コーディングがいらないLP作成ツール
- 動的なものは難しいかも?メルカリは作れない可能性が高い。
- 普通にプロダクト部の業務改善に使えそう
- FormRun
- お問い合わせフォームが簡単に作れる
- iframe で問い合わせフォームを組み込む
- 問い合わせをこれで一元管理すればダッシュボードでまとめらていいかもしれない
- studioで作ったLPにとりあえず組み込むとか、ありかもしれない
- Bubble
- Webアプリが作れる。ガチ目なNoCodeツール
- アイデア:営業専用アプリ、FA専用アプリなんかを作って日々の作業を隙間時間に気軽にできるようできるとか?
- Glide
- https://note.com/a_n_do/n/n7b569c62770c
- GoogleスプレッドシートをDBに使い、今流行りのPWAが制作出来るツール。用意されたテンプレートを使うだけで、簡単にWebアプリが制作出来るらしい。
- 料金: 500行のデータは無料。25000行/2000円。会社で使うなら$8/人 で無制限
- データ集めて一覧を綺麗に出す用途で良さそう
特に Zapier はすぐに使えそうだったのでその場でみんなで使ってみて、結構いい感じに動いたので後述するハッカソン本番でも活躍しました。
また、Glide についても、エンジニアの津崎さんが弊社サイトの管理ツールについている機能の一部機能の移植を試し、盛り上がりを見せました。
営業チームにおけるハッカソン
チーム概要
営業チームはインサイドセールスチームとフィールドセールスチームに分かれ、合計6人(当日は人数バランス調整のため5人)のチームです。 ざっくり言うと、前者は営業のアポを獲得するチーム、後者は実際に営業かけたりルート営業をやるチームになります。
エンジニア視点でいうと、インサイドセールスチームはテレアポを中心に繰り返しのタスクが多いため、エンジニアの力で改善の余地が多いのではないか、と感じました。
フィールドセールスは客先に伺って話をするのが中心ではあるので改善の余地は少ないのでは、と感じていましたが、実際に話を聞くと顧客にメールを送付したり日程調整したり、社内連携のためのslack入力など効率化できそうなところがそれなりにありました。
成果物
最終的に発表をした主な成果物としては以下の形になりました。
フィールドセールスの成果物
1. 社内連携のためにSlackワークフローを適切に使う
- before: 掲載契約が獲得できたときに社内の契約やライティングなど各担当者にやってほしい業務を全てSlackに手動で入力していた
- after: Slackワークフローを使うことで最初にフォームに従って入力したらその連絡が終わるようにした
2. 掲載営業の後に即座に説明資料添付したメールを送付
- before: 掲載営業の後に、移動や次の営業の準備で顧客に説明資料添付したお礼メールを送ることができない。それにより鉄を熱いうちに打てていない。原因は送付先メールアドレスや名前を外出先で手動で転記しなければいけないという思い込みでした
- after: Slack上だけで写真を撮って会社にいるインサイドセールスチームに送信。代わりに送信してもらう。誰がどこの営業に行っているかは明らかなので言語コミュニケーションは不要でした
インサイドセールスの成果物
Zapier を使ってSalesforce と他のツールを連携して手間を減らす。
- before: アポ獲得した時にやること3つ。
- Googleカレンダーに予定を追加
- Slack にアポ設定内容を手動で書き込み
- Slack を見て Salesforce に「商談」を作成
- アポ先に確認メール
アポ設定数は月間100件単位なので、それぞれのタスクが1分程度でもチリツモでかなりの時間がかかっていました。
- after: 業務ステップを見直してNoCodeツールの Zapier を使う
- Salesforce に「商談」を追加
- 買い手商談だけフィルターし、以下の処理が自動で行われる
- Slack に通知
- カレンダーに登録
- Gmail下書きを作成(当日は未実装だったが、他チームの発表も聞いてできることに気がつきました)
担当者が複数にまたがる業務ステップは、案外無駄な処理が隠れているものなのだなあと感じました。
結果
全くコードは書いていないですが、今後も営業チームの中だけでも運用しやすい優しい解決策になったかなと思います。
評価基準として以下のものが挙げられていました(再掲)。
* 勝つべくして勝つ - インパクトが大きいアイディアか? * 全員UX - チームメンバーが使いやすいかどうか? * One Team - 全員で協力して作ったか?
営業チームは、このうちOne Teamの「全員で協力して作ったか?」でいうと良い結果になったと思います。
- フィールドセールスチームはSlackワークフローの使い方をエンジニアの私が教えた後は、フィールドセールスチームのメンバーだけで詳細の処理を詰めて完成させてくれました
- インサイドセールスチームは、Zapier 自体は私がいじることが多かったですが、Salesforce のレコードの構造やフィルターなどはチームメンバーによって詳細を詰めてもらいました
成果物のインパクトがやや薄く、他のチームの実装・発表が素晴らしかったこともあり、投票の結果はそこまで良いものではなかったでしたが、私も営業チームも学び多い1日となりました。
その後の話
営業チームでも使用した Zapier ですが、ハッカソンではライティングチームも使用し、さらにCSチームで兼ねてからNoCodeツールの検討をしていたこともあり、晴れて全社導入が決まりました。
今後も One Team のバリューに沿って、エンジニアと他チームが一丸となって会社を大きくしていくと思います。